シエラレオネ人の中で一番尊敬する人の話し―日本人が現代社会で失ったもの。

 

シエラレオネで本格的に、アフリカの布を使ったオーダーメイド服や小物づくりがはじまったころ、この事業を軌道に乗せてくれた一人の男性がいた。NPO法人化してからは、彼を筆頭にこの事業が大きく飛躍している。

彼の名前はイブラムさん
フォートストリートで
有名な腕利きの仕立て屋さん

 

私たちアラジがいつもオーダーしているフォートストリートのテイラー(布の仕立て屋)さんの中で一番良心的な値段で、早く、いいものを作ることで有名だ。

彼は納期を滞納したことはなく、またできあがった服のクオリティも高い。男性用の服を専門に作る彼なのだが、スカートや女性の服も、期日通りに作ってくれる。

今まで10名以上のテイラーにオーダーし、他のテイラーは布を紛失したり、全然違うものを作ってみたりと、トラブルも多かったのだけど、やっと出会えたいいテイラーさんだった。彼がいたから、このオーダーメイドの事業が、やっていけると確信したのも事実。

「夢ちゃんが着ている服を私にも作って!」

 

SNSで活動報告をしていた私に、いつも応援してくれている人たちがかけてくれた一言がきっかけで始まったこの事業。

彼と出会ってから私は、オーダーの品を、ただ布を縫い合わせるのではなく、心をこめて作りたいというテイラーに寄り添い、彼らの収入をもっと支えたいと思うようになった。

実はその思いの裏には、もともとそれなりの安定した収入のある彼らが、近所の孤児たちの世話をしているということも背景にある。

彼らの子どもや周りの孤児たちが、ずっと学校へ行けるように。また、この活動は、日本におけるシエラレオネの魅力の発信にもつながることがわかった。

 

今後は、私たちの納期や、検品基準をクリアできるイブラムさんをロールモデルとして、まずは若手テイラーに講師として研修をしてもらい、もっとシエラレオネで真に頑張っている人たちの収入を将来的には支えていき、彼らの子どもたちや引き取っている孤児たちが、きちんと学校で学ぶことができるようにしたいと考えている。(これが現在の就労支援の考え方)

彼のおかげで新商品も生まれた。彼がつくりはじめた本の栞(Bookmark)は、普段本を読む習慣のほとんどないシエラレオネ人の彼には、みたこともないものだったみたいだけど、見事に上手に作ってくれた。実はずっとオーダーをしてくれていた常連のお客様の案で、洋服ではなくて、柄物でも日常生活で持てる小物を作ったらどうか?という案のもと、開発されたものだった。

失われた日本人の心「Mottainai」をイブラムさんから学ぶ

 

ある日、シエラレオネでずっと履いていたサンダルが壊れてしまって、イブラムさんに「明日新しいものを買おうと思う」と言ったら、「そのサンダル僕にちょうだい」と言う。

次の日、注文の品を見に行くと、なんと、昨日渡したサンダルが見事になおってピカピカになっていたのだ。

「これ、修理しておいたよ、靴の修理屋さんに、なおし方を聞いて、自分で縫ったんだ」

とのこと!

しかも、それだけではなくて、超ピカピカになってる。磨いてから、縫ってくれたんだそう。

今、イブラムさんにサンダルを預けているので、写真はないけど…

 

私のために、忙しいのに、わざわざなおし方を聞きに歩いて遠くまで行ってくれた。

 

そして、明日新しいものを買おうと安易に思っていた自分が少し恥ずかしくなった。

 

Mottainaiの精神を

シエラレオネ人から学ぶとは!

 

シエラレオネに来てからは、思い通りに全然行かなくて、常に危険と隣合わせで、気が張っていて、イライラしたり、体調不良で不安になったり、みんなの支援が生かされなかったらどうしようという重圧やら、いろいろな困難があるわけだけど。

 

 

道を歩いてたら、目的地に全然辿りつかないくらいみんな挨拶してくれて、私の体調を誰よりも気遣ってくれて、私より生活に余裕がないはずなのに、こうやって優しくしてくれたりする、シエラレオネの人たちのよいところは、単純に見習って、日本のみんなにも、シエラレオネの魅力を今後は伝えていきたいなと思っています。

 

 

シンプルにシエラレオネの人々の収入を支え、彼らの子どもが学校に行けるようになった―というストーリーでいい。

 

余った布から、シュシュや本の栞を作ってエコやエシカルなどの市場に便乗してしまおうと勝手に満足していた私。日本の消費者の意識や、フェアトレードが流行に乗り出したきっかけなど知る由もなく。

 

木炭のアイロンで器用に服を仕上げていく彼をみて、先進国の私たち基準のエシカルって、とっても不都合だなと感じるようになった。

 

フェアトレードなんて、私たちが作ったモノのとらえ方で、彼らには関係なかった。フぇrとーれどやエシカルであること。

 

それって最初から私たちにも、彼らにとっても当たり前のこと。彼との出会いは何度もアラジらしい支援とは何かと考えるきっかけにもなった。結局アラジの商品はエシカルとかフェアトレードとか名付けていなくて、答えはみつかってないけど。対等なビジネスって自身を持って言えるように、今年はしたい。もちろんそれが、エシカルやフェアトレードの定義に当てはまるものできちんとなければいけないけど。

 

結局私は、ファッションでアフリカを救うとか、オーダーメイドに全然こだわっていなくて(というかそこらへんド素人なので、できる人に知恵をもらえばいいと思ってる。)

 

どんな方法でもいいから、シエラレオネの人々の収入を支えられるきっかけがあったら、そこにむかって彼らに寄り添い、シエラレオネの魅力を世界に発信するサポートがしたかった。オーダーメイドでもドライマンゴーでも、モリンガオイルでもなんでもいい。それで、彼らの生活がちょっとよくなって、彼らの子どもたちが、学校へ行って、勉強ができたら。

イブラムさんはずっと「パッチワークがやりたい、それでスカートを作ろう、YUMEが次に来る頃には余った布で何か作っておくよ」と言ってくれていた。この事業が本格的になりえたのは、服を仕立てるとか、ファッションとか、アパレルになんの興味もなかった私が、彼らの物を誠実に作る姿勢や、「次はもっとこうやってみたい!」という情熱に動かされた結果だ。

 

 

フェアトレードやエシカルに便乗し、アパレルをやる意味を見出そうとしていた私に最初にモヤっとをくれたイブラムさん。そう、理由なんてなくっても、私たちはシンプルに目の前の小さな世界をよくしたかっただけ。私たちはこれでいい。

 

一つ一つ、今私たちにできる規模で、小さな成果を残していけるようになれば。

 

2018年は新たに12名のテイラーの収入を支え、私たちは日本できちんと利益を生み、私もそこからさらに活動に注力できるよう初めてお給料をもらう。同時にシエラレオネの魅力の発信もする。そうすることで、継続的に、彼らの子どもたち全員が学校へきちんと通えるようにする。アラジの就労支援の成果はそこから。

 

 

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アラジ代表

下里夢美

 



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下里 夢美
下里夢美(27歳)月間12万PV「下里夢美オフィシャルブログ」を執筆。NPO法人アラジ代表理事。「世界で一番命の短い国」シエラレオネで3つの貧困削減プロジェクトと日本人ゲストハウス「CHAMELEON」の運営に取り組む。現地法人Africa Lion.Ltd 代表取締役。「日本最大のアフリカに挑戦する女性のためのコミュニティ・アフリカ女子部」部長。2014年3月より活動をはじめ、2017年7月にNPO法人化。※インタビュー・講演のご依頼は「shimosato@alazi.org」にて!現在第1子となる息子君を妊娠中。2019年3月出産予定。
yumemi

下里夢美(27歳)月間12万PV「下里夢美オフィシャルブログ」を執筆。NPO法人アラジ代表理事。「世界で一番命の短い国」シエラレオネで3つの貧困削減プロジェクトと日本人ゲストハウス「CHAMELEON」の運営に取り組む。現地法人Africa Lion.Ltd 代表取締役。「日本最大のアフリカに挑戦する女性のためのコミュニティ・アフリカ女子部」部長。2014年3月より活動をはじめ、2017年7月にNPO法人化。※インタビュー・講演のご依頼は「shimosato@alazi.org」にて!現在第1子となる息子君を妊娠中。2019年3月出産予定。