アラジが1年間で活用したNPO特典まとめ~世界はNPOに優しかった~

世界はNPOに優しかった。アラジが1年間で活用したNPO特典まとめ

昨年2018年の7月7日に、NPO法人アラジを設立し、1周年が経ちました。今現在2018年10月は、2期目が半年すぎたところ。おかげ様で、まだまだ小さな駆け出しのNPOですが、昨年は4月から数えて約500万円のご支援を集めることができました。本当に本当に日ごろから応援してくださる皆様に感謝です。

とはいえ、アラジがシエラレオネで実現したいことのためには、まだまだご支援は足りない状況です。そんな中、NPO法人を設立して一年、「この世界はNPOに優しいなぁ」と思った経験がたくさんありました。日ごろご支援くださる皆様もそうですが、国際協力系任意団体がNPOを設立するメリットって本当にさまざまあるんです!



今回は、NPO法人アラジが、1年間お世話になった企業のNPO特典や、NPOの中間支援組織についてご紹介したいと思います。

そもそもNPOにした理由

NPO法人の定款に記す、特定非営利活動には第1号~第20号まで様々な活動内容があるのですが(下記画像は内閣府NPOホームページより抜粋)アラジがミッションとして掲げる活動は、「社会教育の推進を図る活動」と「国際協力の活動」の二つです。

そもそも社会起業や国際協力の実行には、ビジネスや利益だけではなく、問題・課題に対する、ニーズ調査・予防・啓発・改善測定など、ビジネスとは結び付かない活動も多く含まれるべきであり、そのためには、独自の事業収入も確保していくべきではあるけれど、やっぱり皆様からのご支援(寄付)が必要不可欠な分野です。

私たちのミッション「シエラレオネの貧困問題を解決する」という大きな目標のためには、NPO法人として社会からの認知・信頼を得ながら、各方面のサポートをいただくということが、一番相性がいいと考えました。さらに認定NPO法人にアップグレードすることができれば、ご支援いただいた際の企業・個人様両方に様々な税遇措置も適用されます。

NPOにしていなかったら、こんなに応援していただいたり、例えば学校法人や財団関連などの講演などはテーマによりけりですが、依頼されにくかったと思います。

設立までがめちゃくちゃ大変だったNPO法人

そんなわけでNPOという道を選んだわけなのですが、設立はめちゃくちゃ大変でした。

そもそも任意団体の時からNPOを視野にいれ一定数の会員やご支援をいただいていたアラジなのですが、NPO設立のためには、設立発起会というものを開き、指定数の理事・監事を集めなければなりません。

最初に都庁に提出した山のような書類は、あちこち付箋だらけで帰ってきました。懐かしき苦い思い出…。結局、発起会から設立までは1年弱かかったような気がします。(設立は無料でできるんですけれどね…)

またNPOにすることによって考えられるリスクもあります。より社会に広く情報を開示するという意味では、HPなどで活動報告・会計報告が誰でも閲覧でき、キャッシュが見えてしまうことから、当然乗っ取りや代表個人としての人としての評価が大きく問われる組織体系でもあります。

市民活動なので、理事会も総会もあります。常に代表として、エネルギーと根気を絶やさない努力も必要です。最初の頃は全く理事会をうまくまとめられずものすごく苦労しました。(今だから言えるけど…理事同士が意識の違いから衝突したり…。涙。)ただ、さまざまなNPO特典をうまく活用できるようになってきたところで、活動が急激に加速しました。

1年間で活用したNPO特典まとめ

1.セールスフォース

顧客管理ソフトのセールスフォースの無料版を使わせていただいています。株式会社ファンドレックスが開発・提供している、ファンドレックス DRM 基本パックを申し込むと、NPO法人は通常企業が月額3,600円~利用できる機能を無料で利用することができます。

また、NPO向けの顧客管理ソフトとして、通常のビジネスシーンでは「取引先」や「企業」となっているタブが、「支援者」、「団体」などNPO向けに仕様されていて、NPOに優しい機能がたくさん備わっています。

申し込みをしてからだいたい3日ほどで利用開始することができました。30日間のトライアル期間中に、NPOであることを証明する書類をもろもろ提出し、審査が終わると無事利用開始可能です。

セールスフォースNPO版の登録はこちらから
(非営利団体への製品寄贈・割引 ( Power of Us プログラム ))

この一年で、寄付者の管理やメールマガジンの指定配信(地域別・寄付者分類別の配信)や年賀はがきの送付などで大変役に立ちました。今後はイベントにたくさん参加している方や個人寄付者を分析して、マンスリー登録のお願いをしていく、という戦略的なファンドレイジングも期待できそうです。

ただ、セールスフォース自体、カスタマイズや追加機能が多すぎて、上級者向けの管理ソフトだなとは思います。今後NPOとして新たに登録・顧客管理されるならば、Kintoneは見やすい&わかりやすくておすすめです。

2.PAY.JP

私たちが、選んだクレジットカード決済システムはPAY.JPです。いろいろと悩んだのですが、一番手数料が安くなおかつNPOに一番優しいこの会社を選びました。通常手数料が売り上げの2.59%のところ、PAY.JPを利用すれば、NPOは1.5%というところがとても魅力でした。

ちなみに…

  • PAY.JP―1.5%
  • キャンプファイヤーファンクラブ-10%
  • Syncable-2.95%
  • KIFTY(キフティ)―月額3,980円

…etc

クレジットカード決済システムを自団体に導入する際の比較サイトとしては、NPOサポートセンターのHPに、「比較特集 : NPOの寄付獲得に不可欠!クレジットカード決済サービスの選び方」という紹介記事があり、とってもおすすめです。

だいたい、平均して2%~5%の手数料というのが多いようですが、カード決済だけではなく寄付者管理も同時に行える便利機能がついていたり、そもそも支援者へ情報が開け放たれているプラットフォーム(Syncableやキャンプファイヤーなど)で広く閲覧してもらうなどの戦略もあると思います。

私たちは、顧客管理についてはセールスフォースの一部機能と、エクセルで充分だったので、今回はPAY.JPを使用させていただくことになりました。

ただし、PAY.JPでNPO特典が利用できるのは、Visa / MasterCardのみなので、JCBで引き落とされたご支援は、通常の3.6%で決済されるようです。(今後JCBカードでも引き落としできるよう調整中)

また、そもそもPAY.JPの導入の段階でコーディングや開発の技術が求められます。(この圧倒的な決済システムのみ提供というところが格安な理由です)便利に簡単に3ステップで開設、というわけにはいかないので、デザインや機能性を重視するならば、多少手数料を払ってもいろいろな便利サービスと比較する余地はあると思いました。

3.Syncable

Syncableは協調や繋ぐを意味する「Sync」に、できるを意味する「able」を組み合わせた造語で、ソーシャルグッドな団体と個人や企業同士との繋がりを生み、ともにアクションを起こすためのプラットフォームサービスを理念に、株式会社 STYZが2016年にリリースした業界新サービスです。

ユーザー登録をすると簡単2ステップで寄付やマンスリーサポーターになることができ、またNPO側にとっても、様々な寄付者管理機能や認定NPOを目指すにあたってクリアすることが必要なPST(パブックサポートテスト)の寄付者情報の管理ができたりと、利用者側のNPOとしてはとっても便利な機能が満載です。

下里は、9月1日の結婚・誕生日に、バースデードネーションの機能を利用させていただきました。個人が、寄付団体を選び、お祝いをプレゼントではなく指定のNPOへ寄付し、社会貢献に役立てるというもので、革新的なサービスだと感じました。結果、約10万円のご支援をいただきました、ドネーションしていただいた皆さま、誠にありがとうございました!

誕生日&結婚祝いドネーションでシエラレオネに貢献したい!

ただ、私個人の誕生日に、私が代表を務めるNPOへ、既存サポーターの皆様がわざわざ新しいサービスへ登録して寄付する、という流れにはなかなか繋がりませんでした。すでに団体内でクレジットカードや口座振込の登録をしている方々は、手数料を気にしてくださったのか、直接支援していただくこともありました。逆にすでにSyncableへ登録されている方にとっては、気軽に支援しやすい、素晴らしいキャンペーンになると思います。

個人がNPOのために気軽にドネーションキャンペーンを立ち上げる、という流れが自然な世の中になっていくといいですね。

4.Polca

株式会社キャンプファイヤーが開発した新しいフレンドファンディングアプリ「Polca」

手数料無料で気軽に友達同士で支援しあえることから、革新的サービスとして一挙に広まり、私の周りでも「Polca展」「Polcaおじさん」「Polca広場」なんていう言葉ができたりもしました。

誰でも簡単に企画を立ち上げられることから、中には、詐欺まがいの怪しいPolcaや、単にPCが欲しい、交通費が欲しいなど目的が見えずらい「クソPolca」という言葉も目にしました。

2018年8月16日(木) 以降は新しい手数料が設定され…

  • 最終的に達成した支援額の6% + 決済手数料 4%
  • 銀行振込の場合に限り振込手数料 :216円 (税込)

10%の手数料+振り込み手数料がかかるようになりました。

イベント参加費や食事会の徴収など、運営側の意図しない方向へそろそろ拡大していきそうだったので(あえて意図していたのかもしれませんが)当たり前のことだなと思いつつ、今までの恩恵に感謝し、今後も上手に活用させていただけたらなと思います。

ちなみに、リリースより総額158,528円のご支援をいただきました。Polcaでいただいた皆様のお名前は、HPに掲載(2018年6月・7月polca支援のお礼)させていただいております。

5.Google広告

非営利団体向けの助成金 | Google Ad Grants – Google

Google Ad GrantsとはGoogleが提供する非営利団体向けプログラム(Google for Nonprofits)のサービスの一つで、NPO法人は、Google検索内で広告を無料で掲載することができます。

TVの放送にあて、一か月約3万円のリスティング広告を無料で掲載させていただいています。NPOにとってはかなり嬉しい特典の一つだと思います。

6.労務freeeと法人ライフカード

「NPO法人の会計を簡単に」をテーマに、NPO向けの会計ソフト「会計freee」と「労務freee」の二つのNPOキットが2016年4月より新しくリリースされました。

現在は3,200を越えるNPOが使用しており、クラウド上で簡単に会計状況を共有でき、担当税理士と管理画面で直接繋がったり、さらに専用の法人クレジットカードを使用すれば、自動的にfreeeの中に転記されたりと便利機能が満載です。

企業とNPO法人で年額23,760 円~というのは変わりませんが、NPO会計を圧倒的にラクにしてくれる二つのソフト。

実は、2018 年4月から私に月額8万円の役員報酬が支払われることになりました。(おかげ様でバアルバイトを辞め旦那さんと同棲し、貯金のできる余裕のある暮らしができるようになりました…)とはいえ、月額8万のために社労士さんを雇っても…ということになり、アラジではfreeeのクレジットカードと労務freeeを登録・使用させていただくことになりました。

小さなNPOでもクレジットカードがあると会計処理はとても便利です。現金の立替払いが圧倒的に減ったので、かなり助かっています。

7.チャットワーク

チャットワーク

私たちは、理事や常務スタッフのやりとりについては「チャットワーク」を利用しています。チャットワークにもNPO特典があり、有料プランを無償利用することができます。ちなみに有料のビジネスプランは月500円/年6,000円。

  • 無料版ではストレージが5Gだが最大10G利用可能に!
  • 大人数でビデオ通話が可能に!
  • グループチャットが14個以上作れる!

などなど、うれしい特典がいっぱいでした。

チャットワークのNPO支援プログラムについてはこちら

NPO特典まとめ

NPOサポートセンターのNPO向けサービス提供事業者マップがとてもわかりやすかったので、紹介させていただきます。

自団体の活動とマッチした相性のいいサービスを新米NPOはどんどん活用していくべきです。

ちなみにアラジが次に目指しているのは、イベント当日の受付時クレジットカード決済や、ブース出展の際の支払いをクレジットカードでできるようにするサービスの導入です。

独自のトークンや通貨を開発する、ボランティアさんにポイントをリターンするというサービスも検討中です。

NPOを支援するプラットフォーム(中間支援組織まとめ)

都道府県ごとに小さなNPOの支援組織・施設はありますが、NPO全体のプラットフォームとしての支援を長年続けていらっしゃる中間支援組織といったら以下ではないでしょうか。

1.日本NPOセンター

NPOの社会的基盤の強化を図り、市民社会づくりの共同責任者としての企業や行政との新しいパートナーシップの確立を目指し、1996年から設立されNPOの中間支援組織としては中心を行く存在です。予算は8億円規模!

2.特定非営利活動法人NPOサポートセンター

事務局の笠原さんは、実はNPO法人WE21ジャパンのアルバイト時代の先輩で(時期は被っていなかったのですが)大変お世話になっています。NPO経営者向けの、セールスフォース活用術やファンドレイジングなどさまざまなセミナー運営もされており、充実した研修制度を日々紹介されています。

3.NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会

1994年から一貫して、NPO法や寄付税制などの法制度制定と、その改正活動を続ける団体で、設立・認証・報告の際など、NPO経営者がつまずくポイントがわかりやすくHP等で紹介されていて、個人的にはめちゃくちゃお世話になっています。

4.NGOの力を最大化する。JANIC

JANICは、日本のNGOのネットワークをつくることで、さまざまな連携を生み出し、NGOの力を最大化し、社会課題解決の促進を目指すという理念のもと、1987年に設立されたNGOのためのNGOです。

大学時代インターンしていたシャプラ―ニールのすぐ隣に事務局があり、いつかNPOを立ち上げた暁には正会員として自分もNGO業界の担い手になることが夢でした。アラジ2期目からは、JANICの正会員として今後さらに活動を促進させていきたいと思っています。

5.日本ファンドレイジング協会

日本のファンドレイジング界を引っ張る代表的な組織です。様々なテーマで活動する非営利セクターが、課題解決に必要な資金や仲間を集めることをファンドレイジングといいます。日本ファンドレイジング協会の活躍により、ファンドレイジングという言葉が業界外にもかなり浸透してきたと思います。ちなみにまだ日本にファンドレイザーが200人くらいしかいなかった頃、大学生の時(もう5年くらい前ですが…)私も準認定ファンドレイザーの資格を取得しました。



当時国際協力を大学で専攻していましたが、国際情勢やNPO論について机上で学んでも、0→1を自分で立ち上げ、NPOを仕事にし組織としてマネタイズしていく方法を大学は一つも教えてくれなかったと感じていました。当時は資格を取得することが目的になってしまい、その後知識だけ勉強しても実践にいかせないギャップに3・4年苦しんだように思います…ファンドレイジング協会で学んだことは本当に面白くて、大いに役立ったことには変わりありません。

 

 

以上が、NPO設立当初よりお世話になっている企業・団体の紹介でした。

NPO向け無償サービスはかなりたくさん普及しているので、自団体の活動をマッチした相性のよいサービスをみつけ、うまく連携していけるとよいなと思います。

ここらへんは、一番尊敬しているNGO/PLASの門田さんが、ITとNPO活用においては一番ご活用されていて詳しいと思うので、彼女のTwitterやVoicy等の発信はとってもおすすめです。

 

下里夢美

シエラレオネの歩き方

ここでしか手にはいらない
シエラレオネの行き方・歩き方を
アラジの下里夢美が
まとめて発信しています!

下里夢美ライン@

毎週日曜日に定期配信◎
お友達登録はコチラから☟

images

 

下里 夢美
下里夢美(27歳)月間12万PV「下里夢美オフィシャルブログ」を執筆。NPO法人アラジ代表理事。「世界で一番命の短い国」シエラレオネで3つの貧困削減プロジェクトと日本人ゲストハウス「CHAMELEON」の運営に取り組む。現地法人Africa Lion.Ltd 代表取締役。「日本最大のアフリカに挑戦する女性のためのコミュニティ・アフリカ女子部」部長。2014年3月より活動をはじめ、2017年7月にNPO法人化。※インタビュー・講演のご依頼は「shimosato@alazi.org」にて!現在第1子となる息子君を妊娠中。2019年3月出産予定。
yumemi

下里夢美(27歳)月間12万PV「下里夢美オフィシャルブログ」を執筆。NPO法人アラジ代表理事。「世界で一番命の短い国」シエラレオネで3つの貧困削減プロジェクトと日本人ゲストハウス「CHAMELEON」の運営に取り組む。現地法人Africa Lion.Ltd 代表取締役。「日本最大のアフリカに挑戦する女性のためのコミュニティ・アフリカ女子部」部長。2014年3月より活動をはじめ、2017年7月にNPO法人化。※インタビュー・講演のご依頼は「shimosato@alazi.org」にて!現在第1子となる息子君を妊娠中。2019年3月出産予定。